エンディングノート

エンディングノート

エンディングノートとは、将来、自分に万一のことがあったときに備えて、家族やまわりの人に伝えたいことをあらかじめ記入するノートのことです。
「万一のときにどうしてほしいか」ということは、従来、家族が一緒に暮らすなかで自然とまわりに伝わっていたものですが、現代は、少子化や核家族化などさまざまな事情により、家族間のつながりが薄れてきました。そのことが、このエンディングノートが注目を集めている理由の1つだと考えられます。
ここでいう「万一のとき」とは、死後のことだけではありません。エンディングノートには、医療や介護、葬儀、遺産相続、お墓など、高齢期において気になるテーマがすべてといっていいほど盛り込まれています。一見、項目が多くて記入が大変そうですが、通常は簡単な質問に順番に答えていくだけで、1冊のノートが完成するようになっているので、気軽に取り組めます。また、「介護の手続きや財産管理を誰に頼むのか」というように、相手を指定する欄もあるので、将来直面するであろう問題について、自分1人で抱え込まずに、まわりの人の協力をあおぐことにもつながります。

エンディングノートの記載事例
プロフィール、自分史 氏名、生年月日、出生にまつわること、両親・兄弟姉妹・祖父母のこと、家系図、緊急連絡先、学歴・職歴、資格・免許、旅行・引っ越し、ペット、結婚生活、出産・子育て、人生年表など
医療・介護 健康状態(血液型、アレルギーの有無、かかりつけ医、持病、常用薬、健康面で注意が必要なこと)、もしものときの希望(自分の代わりに医療措置について判断してほしい人、病名や余命告知、末期状態の延命措置、臓器提供、献体)、介護について(現在受けている介護サービス、介護をしてほしい相手や場所、介護費用、介護をする人に伝えたいこと)など
葬儀・お墓 生前予約の有無、葬儀の際の宗教、予算、葬儀の場所、戒名、香典、祭壇・飾り付け、花、音楽、お棺に入れてほしいもの、服装(死装束)、喪主・あいさつ・弔辞をお願いしたい人、参列者へのメッセージ、会葬返礼品など
気がかりなこと 仕事の処理、ペットの世話、パソコンや携帯電話などの処分、SNSのアカウントの処理、日記・写真の処分、脱退手続きが必要な団体、大切な人へのメッセージなど
アドレス帳 万一のときに知らせてほしい人の連絡先(家族・親戚・友人知人・仕事関係など)
財産管理 預貯金、貸金庫、株式や投資信託、不動産、貸付金、クレジットカード、年金、生命保険、住宅ローンなどの債務など
遺産相続 遺言書の有無、相続人と相続分、遺産相続の指針、形見分けなど